3文字の馬名といえば「ソダシ」「キセキ」「キズナ」といったGIホースが思い浮かびます。
戦後〜1970年代にかけて3文字の馬名はメジャーな存在でしたが、徐々に衰退。馬名は複数の単語を組み合わせた長いものが主流となりました。
1990年〜2009年の20年間において、3文字馬名の重賞勝ち馬は、以下の4頭(5例)しかいません。
1992年11月 | 福島記念 | アラシ |
1993年3月 | 中京記念 | アラシ |
1999年3月 | フラワーC | サヤカ |
2001年4月 | 青葉賞 | ルゼル |
2009年9月 | 京成杯AH | ザレマ |
※外国馬では1995年11月にランドがジャパンカップ、カラジが2006年〜2008年の中山大障害を勝っています。
2010年代から再び増えてきた3文字馬名をまとめました。
ソダシ写真集 白く強く輝く (廣済堂・競馬コレクション)
馬名 | デビュー年 | 獲得賞金(万円) | 主な勝ち鞍 |
---|---|---|---|
キセキ | 2016年 | 70,140 | 菊花賞 |
ソダシ | 2020年 | 62,923 | 桜花賞 阪神JF 札幌記念 ヴィクトリアマイル |
キズナ | 2012年 | 47,640 | 日本ダービー |
ガルボ | 2009年 | 34,432 | シンザン記念 ダービー卿CT 東京新聞杯 |
ミトラ | 2010年 | 28,791 | 金鯱賞 福島記念 |
カラジ | 2003年 | 25,792 | 中山グランドジャンプ(2005年) 中山グランドジャンプ(2006年) 中山グランドジャンプ(2007年) |
ソロル | 2012年 | 23,824 | マーチS |
ザレマ | 2006年 | 23,197 | 京成杯AH |
カデナ | 2016年 | 23,081 | 弥生賞 小倉大賞典 京都2歳S |
ポジー | 1993年 | 20,723 | 神無月S |
アラシ | 1991年 | 19,470 | 中京記念 福島記念 |
グリム | 2017年 | 19,312 | レパードS |
カツジ | 2017年 | 17,714 | ニュージーランドT スワンS |
ザダル | 2018年 | 16,996 | エプソムC 京都金杯 |
ナオキ | 1971年 | 16,976 | 宝塚記念 |
ガンコ | 2015年 | 16,054 | 日経賞 |
デゼル | 2020年 | 13,606 | 阪神牝馬S |
ランド | 1992年 | 13,536 | ジャパンカップ |
サヤカ | 1998年 | 9,607 | フラワーカップ |
マーニ | 2018年 | 8,815 | 京都ハイジャンプ |
ルゼル | 2001年 | 8,567 | 青葉賞 |
サラス | 2017年 | 8,095 | マーメイドS |
タマミ | 1969年 | 7,758 | 桜花賞 スプリンターズS |
ミノル | 1968年 | 5,668 | 朝日杯3歳S 日本ダービー2着 |
コダマ | 1959年 | 1,816 | 日本ダービー 皐月賞 宝塚記念 大阪杯 スワンS スプリングS 阪神3歳S |
ベロナ | 1964年 | 1,754 | オークス |
ケゴン | 1954年 | 329 | 皐月賞 |
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絆 キズナ
前田オーナーがトランセンドでドバイに遠征した際、日本を気遣う言葉をたくさん掛けてもらい、震災を機に盛んに使われるようになったこの言葉を馬名に使うことを決めたそうです。
花束 ポジー
戦績としてはオープン特別レベルでしたが、個性的な馬名と明るい栗毛の馬体で人気を得ました。馬名は英語で「花束」を表す言葉にちなんでいます。
勝ち馬がわかる 血統の教科書 (池田書店)
和田アキ子とセットの記憶 ランド
三文字馬名で唯一ジャパンカップを勝っているドイツ馬のランド。和田アキ子さんが1995年ジャパンカップの日のテレビで「名前がいい」といって本命を打ち、的中させました。
トヨタの会長の御子息が由来 ナオキ
1970年代のトヨタ自動車の会長・山口昇さんの息子である山口直樹さんから名付けられたナオキは、古馬になってから強くなり、1975年の宝塚記念を制覇しました。
母のエイトクラウンも1966年の宝塚記念を勝っており、史上初めて親子で宝塚記念を制覇した名馬でした(宝塚記念の親子制覇は、36年後の2011年にアーネストリーが父・グラスワンダーとの親子制覇を達成)。
美少女快速逃げ馬 タマミ
ソダシ以前に3文字馬名で桜花賞を勝ったのがタマミ。タマミの特徴はその優れた容姿で、美少女と呼ばれ人気を博しました。競馬評論家の井崎脩五郎さんも「最も美しい馬」と評しています。
秋にはスプリンターズSを制して、最良スプリンターに選ばれています。
田中角栄の持ち馬 ベロナ
2021年現在、三文字馬名で唯一オークス(1965年)を制しているベロナ。名義は田中はなさんでしたが、実質の馬主は当時大蔵大臣の夫・田中角栄氏でした。
尚、桜花賞では前述のナオキの母・エイトクラウンが1番人気でベロナが2番人気でした。
初代競馬ブームの立役者 コダマ
馬主の伊藤由五郎氏が鉄道マニアであったことから、新幹線の名前が由来となったコダマ。三文字馬名で日本ダービーを勝ったのは、キズナとコダマの2頭だけです。
その強さは、競馬ファン以外にも知られ、皐月賞と日本ダービーの二冠を制した1960年春、ハイセイコーやオグリキャップに先がけて、初代競馬ブームを巻き起こしたのでした。
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