栃栗毛とは栗毛より暗く、赤褐色が特徴の毛色です。
競馬界における珍しい毛色といえば白毛ですが、栃栗毛の馬が産まれる確率も500頭に1頭以下と言われ、かなり希少です。
そんな希少な毛色の中からも1996年の年度代表馬となったサクラローレルを始めとして、数多くの名馬が誕生しています。
栃栗毛の馬名をまとめました。
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馬名 | デビュー年 | 獲得賞金 | 主な勝ち鞍 | 馬名の意味 |
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サクラローレル | 1994年 | 62,689 | 有馬記念 天皇賞春 | 冠名+月桂樹 |
マーベラスサンデー | 1995年 | 60,686 | 宝塚記念 | 驚くべき+父名(サンデーサイレンス)より |
ノンコノユメ | 2014年 | 52,176 | フェブラリーS ジャパンダートダービー | ノンコの夢。母名より連想 |
トーヨーシアトル | 1995年 | 29,337 | 東京大賞典 | 冠名+シアトル |
セタノキング | 1993年 | 26,848 | さきたま杯 さくらんぼ記念 | 冠名+父名(キンググローリアス)より |
デアリングハート | 2004年 | 25,836 | クイーンS 府中牝馬S(2回) NHKマイルCS2着 | 勇敢な心 |
コイウタ | 2005年 | 23,629 | ヴィクトリアマイル | 恋歌。母名(ヴァイオレットラブ)より連想。また馬主の前川清さんが所属していたクールファイブの「恋唄」にも由来。 |
ザフォリア | 1995年 | 23,560 | 京都4歳特別 帝王賞3着 | 異母兄弟のザフォニック(フランスの競走馬)を意識した造語 |
エガオヲミセテ | 1997年 | 23,539 | マイラーズカップ 阪神牝馬特別 | 笑顔を見せて |
ダイナマイトダディ | 1990年 | 23,270 | 京成杯 中山記念 京王杯SC | 爆弾親父 |
サッカーボーイ | 1987年 | 21,940 | マイルCS 阪神3歳S | サッカー少年 |
グランプリエンゼル | 2008年 | 21,646 | 函館スプリントS | 冠名+天使 |
チアズメッセージ | 2002年 | 21,578 | 京都牝馬S | 冠名+メッセージ |
タマモハイウェイ | 1992年 | 21,230 | トパーズS(OP) | 冠名+高速道路 |
エピセアローム | 2011年 | 21,101 | セントウルS 小倉2歳S | スパイシーな香り |
ダークメッセージ | 2005年 | 21,020 | 門松S(OP) | 謎めいた伝言 |
メジロトーマス | 1983年 | 19,846 | 金杯 京都記念 天皇賞(春)2着 宝塚記念2着 | 不明 |
ミスティックスター | 1986年 | 16,378 | CBC賞 マイラーズカップ | 神秘的な星 |
タイキポーラ | 1999年 | 16,267 | マーメイドS | 冠名+女性名 |
ヴィクトリーバンク | 1996年 | 15,486 | 道新杯(OP)マーメイドS2着 | 勝利+母名(ライトバンク) |
カツトップエース | 1980年 | 14,707 | 皐月賞 日本ダービー | 勝つ、トップ、エース |
サクライワイ | 1973年 | 12,037 | スプリンターズS 2回 安田記念 桜花賞2着 | 不明 |
ジャムシード | 1991年 | 8,390 | 難波S(1500万下) | 王の名前? フランスでデビューし、4勝した後、日本で走った。 |
バロズハート | 2007年 | 7,975 | 東北S(1600万下) | 米・ケンタッキーダービー馬(バーバロ)より+心 |
オートキツ | 1954年 | 760 | 日本ダービー | 母名(トキツカゼ)からの由来と思われる。 |
ミオソチス | 1962年 | 不明 | オールカマー 福島記念 | 忘れな草 アローエクスプレスの弟 |
シスターミル | 未出走 | 未出走 | 無し | シスター+父名(ミルジョージ) セイウンスカイの母 |
キャプテンスティーヴ | 1999年 | 海外調教馬 | ドバイWC (2着はトゥザヴィクトリー) | ルイビルの警察署に勤務していたスティーヴ・トンプソン警部より |
チャイナロック | 1955年〜1956年 | 日本の戦後競馬の大種牡馬 | 代表産駒:ハイセイコー、タケシバオー | アメリカ西海岸の観光スポット。 |
同時期の名馬 サクラローレルとマーベラスサンデー
ナリタブライアンと同期のサクラローレルは1996年の天皇賞春でナリタブライアンを破り、トップホースの仲間入りをします。
一歳下のマーベラスサンデーはクラシックシーズンを前に骨折で休養しますが、1996年の復帰後は連勝を重ね、G I戦線の有力馬となります。
この二頭にマヤノトップガンを加えた三強が1997年の天皇賞春まで、古馬戦線の中心でした。
この時期に競馬を始めていた場合、古馬三強の内の二頭が栃栗毛であったということで、珍しい毛色であることに後から気付く人も多かったかもしれません。
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栃栗毛の尾花栗毛 サッカーボーイ
サッカーボーイといえば日本初の2000メートル1分57秒台の記録や、マイルCS4馬身差独走が有名な馬です。
また見る者の目を引く尾花栗毛も特徴的でした。尾花栗毛とは栗毛の中でも、まえがみ・たてがみ・尾毛が白いものを指します。
サッカーボーイの毛色は栃栗毛であり、栃栗毛の尾花栗毛、という珍しい特徴を持った馬でもありました。
四白流星のアイドルホース ダイナマイトダディ
ダイナマイトダディは中山記念や京王杯SCという、G Iに向けた主要な重賞を勝ちながら、故障によりG Iには手が届きませんでした。
栃栗毛の四白流星という派手な容姿で、その外見からも人気を博した馬でした。
弟のトゥナンテは栃栗毛ではなく栗毛でしたが、大きくて鮮やかな流星を持ったファンの多い馬でした。
G Iではテイエムオペラオーが勝った2000年の天皇賞秋で3着に善戦しました。
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助手時代の藤沢和雄氏が携わったカツトップエース
2022年に定年を迎えた藤沢和雄調教師が調教助手時代に携わったのが1981年の春のクラシック二冠馬・カツトップエースです。
皐月賞を17頭立ての16番人気で逃げ切り、日本ダービーでは2番手から抜け出し、オートキツ以来の史上2頭目の栃栗毛馬のダービー馬となりました。
幼駒の頃から、四白流星の骨太な堂々とした馬体で、馬主の藤本さんが「勝つ」「トップ」「エース」の三語の組み合わせが相応しいとして名付けました。
ダート長距離の名馬 トーヨーシアトル
トーヨーシアトルは中央・地方交流戦の整備が始まった頃の1990年代後半のダート路線の名馬です。フレンチデピュティで知られるデピュティミニスター産駒として、アブクマポーロやキョウトシチーと鎬を削りました。
ダート路線を歩むきっかけとなった1996年12月の矢作川特別(1着)では、セタノキングが2着となり、栃栗毛馬のワンツーという珍しい結果のレースとなりました。
サクラ初期の快速名馬 サクライワイ
サクライワイはサクラ軍団初期の快速の名牝です。同じサクラ軍団のサクラバクシンオーがスプリンターズSを連覇する前に、この馬も1974年、1975年と連覇をしています。
他にも1975年の安田記念を勝っており、路線が整備される前の短距離の名馬として歴史に残っています。
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